我が家にとって、初めてのわんこ、コロが突然旅立ってしまい、それから先の喪失感は想像をはるかに超えるものでした。
一番長い時間をコロと過ごしたママは、ずっと家の中にいて気分転換する機会もないので、どこにいても、何をしても、コロと過ごした日々を思い出し、毎日、ことあるごとに泣いていました。

もちろん、その気持ちを表に出す出さないの違いだけで、コロを失った悲しみを感じているのはパパも息子も娘も同じこと。
中でも、何年もワンちゃんが欲しいと思い続け、やっと念願かなったと思ったら、わずか10日でそれが終わってしまった娘の気持ちを考えると、胸が締め付けられる思いでした。

コロがお空に逝って1週間が経った頃、コロの育ての親であるブリーダーさんから、ご連絡をいただきました。
コロを我が家に迎えた後も、毎日のように色々なことを相談していて、いつも親身に、そして的確なアドバイスをすぐに返信してくださる、我が家にとっては先生のような存在で、本当に信頼のおける柴犬専門のブリーダーさんです。

コロの死を悼み、そして、私達家族のことをものすごく心配してくださいました。
柴犬が大好きでブリーダーを始め、これまで数多くの子達を送り出されてきた中で、今回のようなことは初めてなんだそう。

丁寧なお詫びの後、一緒に生活する家族を柴犬と決め、当犬舎を選んでいただいたのに、辛い記憶だけ与えて終わるわけにはいかないブリーダーの使命として、犬を飼う喜びや深まる絆、慌ただしくも賑やかな日々を体感していただきたい、是非、もう一度チャレンジして、ともに前に進めることを切に願います、と書いてありました。
そして最後に、気持ちの整理がつくまでいつまでも待ちますが、月齢的に、週末から引き渡し可能な女の子が一匹だけいます、と締めくくられていました。

その夜、パパと相談です。
ブリーダーさんからお声をかけて頂いたとは言え、コロがいなくなってまだ一週間です。

  • 時期的にも、新しい子を迎え入れるのはまだ早いんじゃないか。
  • 子ども達が、電化製品や文房具のように、壊れたからすぐに新しい物が手に入る、という風に思ってしまうんじゃないか。
  • 新しい子が来てしまうと、コロのことが薄れていってしまうんじゃないか。

色んな事が気になりました。
念のため、次の出産予定を聞いてみると、まだもう少し先なんだとか。
女の子が希望なのですが、その出産も女の子が生まれる保証はありません。
そうなると、随分先になってしまうかも。

どうするのが一番良いのか、パパと2人、本当に色々考えました。

そこで、娘よりは少し大人の、中2の息子に聞いてみることに。
すると、ポツリ、、
「そら、欲しいよ。
 やっぱ、(コロがいなくなったことは)かなりキツイって、、」と。

そりゃ、そうだよね。
あんなにかわいがってたんだもん。
それが突然いなくなるって、相当きついよね。

でも、新しい子を、コロの代わりという風に思うのはダメなんだよ。
 コロはコロでしかない んだから。
それに、そんな風に思ったら、新しい子がかわいそうだからね。
新しい子に巡りあえたのは、コロのおかげ。
だから、コロのことを 忘れたら絶対ダメ 
コロが身をもって教えてくれた、 毎日、普通に過ごせることが実はすごく幸せ だということ、 命の尊さ をしっかり理解するんだよ。

パパからそんな話を聞き、息子も理解納得しているようでした。

例え姿形は無くなってしまっても、コロは私たち家族の一員として、しっかりみんなの心の中にい続けます。
例え新しい子を迎え入れたとしても、あんなに辛くて悲しい思いをしたこと、何より、本当にかわいくて、いつもみんなを癒してくれたコロのことを、忘れるなんて絶対にありえません

「おはよう」「おやすみ」「行ってきます」「ただいま」
今はコロの写真に話しかけるのが、みんなの日課です。

コロがいなくなって、約10日で新しい子を迎えることに、全く抵抗がないというと嘘になりますが、最終的に娘も含め、家族でしっかり考えて、話し合った上での決断です。

翌朝。
ブリーダーさんに、その子を我が家に迎えたい、とお返事し、今週末迎えに行くことに決めました。

コロ。
もうすぐ新しい子がやってくるんだ。
コロはお姉ちゃんになるんだよ。

大丈夫。
新しい子が来ても、コロが家族の一員なことは変わらない。
絶対に忘れたりしないよ。
だからこれからは、かわいい妹のこと、見守ってあげてね。

コロ。
今日も大好きだよ。