2018年1月17日

この日は、我が家にとって、とてつもなく長く、つらい1日になりました。
コロが家に来て、11日目

朝、いつものように息子の部屋に迎えに行くと、「く~ん」と鳴き、むくっと起きてきたコロですが、いつもなら尻尾を振って、トコトコと布団の上を歩いてくるのに、この日はなぜだか、布団の上にのぼることができません。

ん?

不思議に思って抱っこしてみると、なんだか体がぐったりしています。
ちょっと様子がおかしい。
試しに下におろしてみると、二、三歩進んだかと思ったら、ペタン、とその場に倒れこんでしまいました。

コロ?

ねぇ、どうしたの!?

コロ!!!

コロ!!!!

ただ事ではない私の大きな声で、息子や娘もビックリして起きてきました。

「パパ起こしてきて!!!」

無責任と言われれば、返す言葉もありませんが、まだ病院をどこにするかも調べていないような状態で、とりあえずパパにスマホでかたっぱしから、近くの病院や、緊急で診てくれそうな病院を調べてもらいます。

その間、必死に声をかけてみるのですが、コロは息をしているのか、していないのかすらわからないような状態。

まだ朝の7時過ぎなので、勿論、開いている病院は無く、電話もつながりません。
やっと電話がつながったのは、15分後。
おそらく、この電話で起きられたのであろう先生に、状況を説明すると、
「体を温めて、ガムシロップを口に入れてみてください」
と言われたのですが、うちにはガムシロップがありません。
急いで、1Fで二世帯同居する祖父母に聞いてみたのですが、やっぱり無い、と。
冷静に考えれば、砂糖水でも代用できるのですが、パニック状態の頭ではそれすら気が回らず、あたふたするだけ。

その後、先生に言われ、ハッとして、「砂糖水」を作り、口に含ませますが、コロは相変わらず動かず、ぐったりしたまんま。

コロ!!!!
コロ!!!!

しっかりして!!!
目を開けて!!!!!

とりあえず、すぐに用意して病院に向かいます、と言ってくださったので、急いで身支度を済ませ、みんなで車に乗り込みます。
対応してくださった先生の病院は家から20分くらいのところ。
子ども達はそろそろ登校時間だったのですが、車中から、学校や待ち合わせしている友人に、少し遅れる旨連絡を入れ、ナビで病院の場所を確認しながら向かいます。

駐車場に車を停めていると、ちょうど先生らしき方が到着し、鍵を開けておられたので、慌てて駆けつけると、中に入れてくださいました。

すぐに診察台に乗せ、様子を診てもらった後、先生から告げられたのは、

既に心臓が止まっている

という、悲しい現実でした。

それでも、色んなことをしていただきました。
心臓マッサージや、AEDのような蘇生装置、直接注射、、、
先生も諦めず、できる限りのことをしてくださったと思います。

でも、、、

コロはそのまま、最後まで戻ってきてはくれませんでした。

原因は断定されるわけではないので、あくまで推測の話にはなってしまうのですが、誤飲の可能性が低いのであれば、恐らく、「低血糖症」だったのではないか、と。

「低血糖症」とは、特に体の小さな子犬がなりやすい症状で、例えると車で言うガス欠のようなもの。
血液中の糖分の濃度が著しく低下することにより、体がぐったりしたり、痙攣を起こしたり、立てない状態が見られるなどの症状を起こし、ひどい時には短時間で死に至ることもあるんだそうです。

確かにコロは他の兄弟犬に比べ、一回り以上小さかったし、誤飲は絶対にないように、下に何も置かないよう、常に気を付けていました。
又、前日の昼間は、低血糖症の前兆の一つでもある、寝ている時間が多く、「今日はいつもよりよく寝てるなぁ」とは思ったのですが、そもそも「低血糖症」というもの自体知らず、特に具合が悪い感じもなかったので、それ以上は気にしていませんでした。
でも、もし、子犬にはそういう症状があるというのを知っていて、あの時気づけていたら、コロは助かったのかもしれない、と思うと、悔しくてたまりません。

最後に診察料をお支払いしようとしたら、先生はそれを受け取らず、代わりに、「頑張ったコロちゃんの(葬儀の)お花代にしてあげてください」と心温まるお言葉をくださいました。
朝早い時間の電話にも関わらず、早急に対応していただき、診療時間よりも1時間以上前に来て、初めて診るコロに、出来る限りの処置をしてくださった先生。
いくらお礼の言葉を言っても足りないくらいですが、本当に本当にお世話になりました。

帰りの車中、まだ温かく、寝ているようにしか見えないコロを腕に抱き、涙が止まりませんでした。

11日前、運命的な出会いで我が家に迎えることになり、毎日毎日、家族みんなに癒しを与えてくれたコロが、突然いなくなってしまった。
昨日まで元気に、チョコチョコと足元を動き回っていたコロが、翌朝突然動かなくなってしまった。
最後のお別れを言うことさえできないまま、お空に逝ってしまった。
そんな現実を、家族全員受け入れることができません。

それでも、なんとか気を強く持ち、近くにある動物霊園に電話をし、家族全員が揃っている今日、葬儀をするよう段取りをします。
午後ならいつでも大丈夫ということだったので、時間を14時に決め、それまでの間、みんなで順番に抱っこして、コロと最後の時間を過ごします。

何を食べているのかすらわからない、味のしないお昼ご飯を済ませ、14時に合わせて、動物霊園に向かいます。

お経をあげてもらってお焼香、火葬、お骨を拾って納骨。
人のお葬式と段取りは同じです。

いつも食べていたフード、先日作ったばかりのお皿、娘が用意していて、コロも気に入って入ってくれたべッド用の段ボール箱、お昼寝の時にかけていたブランケット。
向こうでもいつもと同じように過ごせるように、コロの身近にあったものは全て一緒に入れ、最後に、用意していただいた棺桶用の箱いっぱいのお花を入れ、見送ってあげました。

お経をあげて頂き、お焼香を済ませた後、しばらく火葬場横の休憩室で順番を待ちます。
待っている間、昨日まで我が家の日常に溶け込んでいたコロの姿を思い浮かべ、このまま永遠に順番がまわってこなければいいのにと思っていました。
実は今は夢の中で、そのうち目が覚めて、「あぁ、良かった、夢だったんだ」と思えるんじゃないか、とも思いました。

でも、現実は厳しく、とうとうコロの番が来てしまいます。

炎の熱を肌で感じる程の場所にある祭壇の前で、もう一度お焼香をし、横の台にコロの入った棺桶を移動させ、蓋を開けてもらって、本当の本当に、コロとの最後のお別れです。

この蓋を閉めてしまったら、もう二度とコロには会えません。
このままずっと、スヤスヤ寝ているようなコロの姿を見ておきたかった。
こんなにかわいいコロの姿が消えて無くなるなんて、考えたくなかった。
できることなら、ずっと蓋を閉めたくありませんでした。

最後は、コロがちゃんと虹の向こうに旅立って、たくさんの友達やおじいちゃん、おばあちゃん達と楽しく過ごせるように祈りながら、コロのかわいい姿をしっかり目に焼き付けて、みんなでそっと蓋を閉じました。

その後、小さな小さなコロのお骨を拾いました。
本当に、ここにコロがいたのかと思えないくらい、跡形も無くなってしまったその空間を見て、涙って終わりがないのかな、と思うくらい泣きました。

コロと過ごした時間は、たったの10日。

十何年一緒に過ごしたわんちゃんに旅立たれたのに比べると、期間が短かっただけまだ良いですよ、と言われるかもしれません。
でも、たったの10日であっても、コロは我が家の家族でした。
当たり前のように、傍にいる存在になっていました。
そんな家族の一員であるコロを失った事実は、やっぱり言葉では言い表せないくらい辛いものでした。

でも、こんなに辛い思いをするなら飼わなければ良かった、とは誰も思っていません。

たった10日でも、コロがいてくれたことで、家全体が明るく、本当に幸せで楽しい時間が過ごせました。
たった10日でも、コロが、わんちゃんとの生活の楽しさ、当たり前のように普通通りに1日が過ぎていくことの幸せ、命の大切さ、、、
色んなことを教えてくれました。

コロが我が家に来てくれて、一緒に過ごした10日の間、わんちゃんが欲しくて仕方がなかった娘やママはもちろんですが、わんちゃんを飼うことに全く興味の無かった息子でさえ、コロにメロメロで、コロと一緒の時間を大事に大事に過ごしてきました。
パパも、コロに会いたくて、いつもよりも早く帰ってくる日が多くなっていました。
コロがいてくれた10日間、家族みんながコロに最大限の愛情を注いだと、自信を持って言うことができます。


コロ。
うちに来てくれて本当にありがとう。
とっても楽しい時間をありがとう。
毎日、たくさん癒してくれてありがとう。
コロと過ごした10日間、本当に幸せだったよ。


コロ。
向こうに行っても、たくさんお友達作って、楽しく遊んでね。
パパやママ、お兄ちゃんやお姉ちゃんのこと、忘れないでね。
みんなコロのこと、絶対忘れないよ。
例え、姿はなくなってしまっても、コロは家族の一員だからね。


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コロ。
これから先もずっとずっと大好きだよ。
本当にありがとうね。